クナッパーツブッシュ指揮ケルン放送響のブラームス交響曲第4番(1953.5Live)ほかを聴いて思ふ

大地に生きているということ。
およそ300年前、バロック期の音楽は、通奏低音を主体とし、そこに旋律が重ねられることが常套であった。例えば、バッハの音楽の堅牢さ、というより重心の安定した響きはそのことに起因する。

まるでその通奏低音を軸にしたアルバム。イエスのオリジナル・メンバーであり、ベーシストであったクリス・スクワイアの唯一のソロ作品は、ある意味イエス以上にイエス的であり、なるほど今となってはクリスがイエスの屋台骨を背負っていたことが理解できる代物。15分超の”Safe(Canon Song)”の、しつこいまでの主題の反復がプログレ・ファンの魂を癒す。こんなに純粋で透明な作品があろうか。

・Chris Squire:Fish Out Of Water (1975)

Personnel
Chris Squire (lead and backing vocals, bass guitar, 12-string guitar)
Bill Bruford (drums, percussion)
Mel Collins (tenor saxophone, alto saxophone, soprano saxophone)
Jimmy Hastings (flute)
Patrick Moraz (bass synthesiser, organ)
Barry Rose (pipe organ)
Andrew Pryce Jackman (acoustic and electric pianos, orchestration, conductor)
Julian Gaillard (strings leader)
John Wilbraham (brass leader)
Jim Buck (horns leader)
Adrian Bett (woodwinds leader)
Nikki Squire (backing vocals)

クリスに集まった錚々たるメンバーの奇蹟。ビル・ブルーフォードのパーカッションが懐かしい。あるいは、メル・コリンズの朗々たるサックス・プレイ。また、パトリック・モラーツの重厚なキーボードが素晴らしい。

続いて、バッハのカンタータ第150番BWV150を聴いた。ブラームスの交響曲第4番ホ短調終楽章パッサカリアのバス主題は、このカンタータからとられたものだが、永遠を思わせる音楽が時空を超えて邂逅する様に、すべてがつながっていることを思う。
この世は、身体の内に意識が宿るのではなく、意識の海に身体が浮かんでいるのだろう。

J.S.バッハ:
・カンタータ第150番BWV150「主よ、わが魂は汝を求めん」
・カンタータ第151番BWV151「甘き慰めなるかな、わがイエスは来ませり」
ハノーファー少年合唱団
テルツ少年合唱団
コレギウム・ヴォカーレ
グスタフ・レオンハルト指揮レオンハルト合奏団(1985録音)
・カンタータ第152番BWV152「出で立て、信仰の道に」
・カンタータ第153番BWV153「見たまえ、御神、いかにわが敵ども」
テルツ少年合唱団
ニコラウス・アーノンクール指揮ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス(1985録音)

レオンハルトの妙、そして、アーノンクールの天才。地に足の着いた教会音楽の澄明さ。
バッハのカンタータに触発され、僕はブラームス。クナッパーツブッシュがケルン放送交響楽団を指揮した実況録音の素晴らしさ。特に、終楽章はフルトヴェングラーの動的なそれと対極で、金管の咆哮を伴いつつ、コーダに向けてテンポを落とす解釈に卒倒。これほどまでに祈りに満ちる情熱的な演奏があるのだろうか。

・ワーグナー:ジークフリート牧歌
・ブラームス:交響曲第4番ホ短調作品98
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ケルン放送交響楽団(1953.5.8Live)

癒しの「ジークフリート牧歌」に感動。
ちなみに、交響曲第4番第3楽章アレグロ・ジョコーソの雄渾な行進をキーボードのめくるめく多重録音で披露したアーティストがかつていた。名をリック・ウェイクマンという。
イエスの代表作である「こわれもの」からの1曲、”Cans and Brahms”。絶品!!

・Yes:Fragile (Definitive Editon)(1971)

Personnel
Jon Anderson (lead and backing vocals)
Steve Howe (electric and acoustic guitars, backing vocals)
Chris Squire (bass guitars, backing vocals, electric guitar)
Rick Wakeman (Hammond organ, grand piano, RMI 368 Electra-Piano and Harpsichord, Mellotron, Minimoog synthesizer)
Bill Bruford (drums, percussion)

クリスの作である”The Fish (Schindleria Praematurus)”がまた出色。
連想が連想を呼び、ついに「こわれものに」行き着き、1975年のクリスのソロ・アルバムに回帰する。世界は輪廻の内にあるということなのだ。
僕たちは大地に生を得、そして太陽や月からエネルギーを得、生きている。
そこには「感謝」しかない。

 

ブログ・ランキングに参加しています。下のバナーを1クリック応援よろしくお願いいたします。


音楽(全般) ブログランキングへ

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください