褻と晴れ

dylan_freewheelin.jpg人は誰でもお祭り好きだ。ともかくどんな手段を使おうと誰かと「一体化」したいと望んでいるのである。師走になり「忘年会」花盛り。ここぞとばかりに歌を歌いまくり、羽目をはずしながら発散する人々を見て、人間の根底に潜む「性」を垣間見たよう。

島国日本は古来農耕民族で、集団生活を余儀なくされた。人々が協力し合いながら日々の糧を産み出す労働。あまりに勝手な行動をとり、掟に背くと「村八分」という試練が待っていた。よって時には我慢を強いられる。その積もりに積もったストレスを年に1度のお祭りで解放するのである。この時ばかりは「無礼講」。若いも老体もお神輿を担ぎ、ともかく「一つ」になることを願う。

とはいえあまりに行過ぎた行動は気をつけねばなるまい。どんな状況、状態でも大人であることを忘れてはならない。

深夜の新宿を歩きながらBob Dylanの「Blowin’ in the Wind」を口ずさむ。

How many roads must a man walk down
Before you call him a man?
Yes, ‘n’ how many seas must a white dove sail
Before she sleeps in the sand?
Yes, ‘n’ how many times must the cannon balls fly
Before they’re forever banned?

The answer, my friend, is blowin’ in the wind,
The answer is blowin’ in the wind.

どれだけ歩けばいいのだろう?
真の人間として認められるためには。
いくつの海を越えればいいのだろう?
白い鳩が浜辺でゆっくり休むためには。
そして、いくつの弾丸の雨が降ったらいいのだろうか?
それらが永遠に無くなるには。

友よ、その答は、風に吹かれている。
答えは風に吹かれている。

Bob Dylan:The Freewheelin’

1963年発表のセカンド・アルバム。若き日のDylanの歌は、その歌詞の内容といい21世紀の今も色褪せない。日常とお祭りの両方を広角で見据えるDylanの眼差しは神の眼差しに限りなく近い。

⇒旧ブログへ


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む