自分自身を信じなさい!

knappertsbusch_brahms.jpg人は皆本来素直だ。どんな人でも人と直接に交わり、身近な人への感謝の気持ちを想い出すだけで、自ずと行動のパターンが変化していくのだからこれは面白い。誰もが「癖」をもっている。その「癖」がどこから生じているものなのかを探り、知るだけで変化が起こる。そして、究極は、以前にも書いたカール・ロジャースの「自分自身を受容したとき、人間には変化と成長が起こる」という言葉。自信を持つことの重要性、というよりそもそも人間は誰もが「自身」を持って生まれているということを再確認することだけで一種の化学反応が起こる。その証拠に、体感を伴った自覚を持った人は数ヶ月のうちに自ずと変化と成長を起こしているから。
人の悩みというのは意外に一律だ。結局自信が持てないということ、あるいは、人とうまくやっていけないということ。でも、それは自らが原因を作っているということにまず気づかねばならない。「信じること」こそすべての「薬」なのである。

セミナー後の打ち上げで気分よく、多少酔っ払っている。気分が良い(笑)。

3億分の1で生まれてきたその事実に感謝すべし。今まで生き永らえている、いや育ててもらえたその事実に感謝すべし。人は支えあって生きている。

ブラームス名演集
ルクレティア・ウェスト(コントラルト)
ウィーン・アカデミー男声合唱団
ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

秋深まるこの季節にぴったりなのがブラームスの音楽。それも奇妙奇天烈な演奏を旨とするクナッパーツブッシュの至極真面目なスタジオ録音による羽目はずしのない名演奏こそ、秋の夜長の「癒し」の音楽なのである。
「大学祝典序曲」作品80の深い呼吸と、他の演奏では聴いたことのない金管の響きが妙に寂寥感を駆り立てる。「ハイドンの主題による変奏曲」作品56aは一見何もやっていない。クナッパーツブッシュの個性すら全く感じられないような演奏である。しかし、その何もしていないように思える内容にこそクナの巨大さが潜んでいるのである。「アルト・ラプソディ」作品53は、カール・ベームの演奏も良い。しかし、いかにもクナらしい深沈たる表現の中に不思議な「軽さ」を持つこの演奏は別格の良さを秘める。同じく何もやっていないようで明らかにクナッパーツブッシュなのである。そして品格のある「悲劇的序曲」作品81。美しい音楽。全てが純粋なブラームスそのものなのである。

ブラームスは死ぬまで自分自身を「受容」できなかった音楽家である。一方、クナッパーツブッシュは生涯何があろうと自分を「受容」した音楽家である。自信をもっていた指揮者が自信のなかった作曲家の音楽を演奏した時には奇跡が起こる。重要なのは自分自身を信じることである。

⇒旧ブログへ


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む