フォープレイ

fourplay_between_the_sheets.jpg朝からずっと雪。明日もまだ降り続くらしいので、3連休を外で過ごそうとしていた人にとってはがっかりの週末か・・・。こんな日に限っては、なるべく外出しないでデスクに向かってモノを考えた方が良いと思い、いくつかの懸案事項を片っ端から片付けていった。

人によって異なるとは思うが、集中力ってどれくらいまで持つのだろう?ついつい他のことに意識が向いてしまって思うように進まない。そういう時は少し息抜きが必要・・・。

ボブ・ジェームス、リー・リトナー、ネーザン・イースト、ハーヴィー・メイスンら4人が結集して繰り広げる”Fourplay”のプレイは、都会的センス満点で、しかも各々が抜群の技量をもっているにも関わらず決してぶつからず、互いが互いを尊重し、ゼロ磁場のようなどちらにも振れない、調和力に富んだ音世界を眼前に表出する。通常、これだけ腕利きが集合すると、どこかに瑕(要は「自己主張」)が見え隠れしてもおかしくないと思うのだが、そういうアンバランスさが見事にない。だから余計に飽きが来やすいタイプの音楽だろうと想像するのだが、意外にそうでもないことが反復聴きしてみてよくわかる。何だか不思議な魅力・・・。それに、アルバム・タイトルにもなっているThe Isley Brothersのカバー曲”Between the Sheets”では、Chaka Khanが本当にしっとりとしてエロティックな歌声を披露し、花を添える。

Fourplay:Between the Sheets

Personnel
Bob James(keyboard)
Lee Retenour(guitars)
Nathan East(bass)
Harvey Mason(drums)

おー、完璧。
凍りつくような外気まで暖めてくれそうな、何とも「春の気配」を彷彿とさせる4つの音たち(ボブ・ジェームスのピアノといい、リー・リトナーのギター・ソロといい、涙が出るほど温かい)。そういえば、もう3年半前になるが、アルゲリッチ、マイスキー、クレーメル、そしてバシュメットがブラームスのクァルテットを録音した音盤を採り上げて、「4」という題名でブログを書いたことを思い出した(たいした記事じゃないけど)。彼らはトリオでさえ長続きしなかったのだから、4人で継続するのなんて無理だったのだろうな。皆自己主張が激しそうな人たちだし・・・。それでもあのブラームスの演奏は、このフォープレイの繰り出す世界とはまるで正反対の意味で最高だった。はらはらドキドキの連続。音楽の性質の違いもあろうが、どちらも「音」を「楽しむ」という点では同じなのかな。

こういう「大人の世界」にたまに浸るのも良し。降雪万歳!!


2 COMMENTS

雅之

こんばんは。
このところ、岡本さんと、ずっと興味の方向が違う日が続いています。
私は、今日も先日話題にしました、フルトヴェングラーのSACDを何枚も聴きました。
いや、本当に音質改善、凄いですよ。
※次のサイトなど、参考になりますよ。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/FurtwanglerCD/Beethoven/sym9/19510729.htm
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/FurtwanglerCD/Beethoven/sym3/19521126-27.htm
ついでに、フルトヴェングラー&フィルハーモニア管弦楽団で、 メニューイン(ヴァイオリン)、バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番とか、ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』全曲の一部分などもCDで聴いていて、何年ぶりかでのフルトヴェングラー三昧の日々です。
>凍りつくような外気まで暖めてくれそうな、何とも「春の気配」を彷彿とさせる4つの音たち
Fourplay:Between the Sheetsは未聴なので、これを機に、いつか聴いて勉強してみたいです。
しかし、いつも思うんですが、東京の人は、寒さにしても、降雪にしても、暑さにしても、毎回毎回大袈裟ですね。よほど甘やかされて生活しているのですね(と、岡本さんだけでなく、東京に住んでいる人全員を敵に回している・・・笑)。
新宿に合わぬ体質春ふかき  滋酔郎(江國滋)

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
フルトヴェングラーのSACDについては、実は今朝歩きながらそろそろ聴いてみたいなと思ってたところでした。
しかし、雅之さんにこれほどお薦めされると手に入れないわけにはいきませんね(また悪魔の声が・・・笑)。
>何年ぶりかでのフルトヴェングラー三昧の日々です。
あー、たまには僕もそういう「時」を持ったほうがいいかもですね。ありがとうございます。では、僕をフルトヴェングラーの世界に誘ってくれた「田園」あたりからいってみたいと重ます。
>東京の人は、寒さにしても、降雪にしても、暑さにしても、毎回毎回大袈裟ですね。
東京の交通網は驚くほど脆弱ですからね。まぁ、僕は東京もんじゃないので雪などには慣れてますが、あっという間に麻痺してしまうのにはいつも驚かされます。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む