今年もエルガー

elgar_boult_1.jpg久しぶりに(というか初めてか・・・?)新宿歌舞伎町の「茶茶花」にてKとOとで歓談した。サービスも味も良く、しかも納得のゆくお値段で、やっぱり価値に見合う「モノ」を提供することが大事なんだということを実感。Oが 8月からアメリカのニュージャージーに赴任するということで、餞別の意味も兼ねながらの宴。積もる話で盛り上がり、結局4時間ほどお店にいたことになる。

ガソリン200円/ℓ時代が目の前に来ている。かれこれ10年近く前70円台だったことを考えると隔世の感がある。自家用車を持たず、日々の移動の手段は「自分の脚」という生活を送っているから関係ないといえば関係ないのだが、原油価格の高騰は一般庶民の財布を脅かすゆえ何とかならないものかとついつい思案してしまう。極論を言ってしまうと、おそらく資本主義が行き着くところまで来てしまっているということなのだろう。

エルガー:弦楽セレナードホ短調作品20
サー・エイドリアン・ボールト指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団

昨年の今日とりあげたエルガーの「愛の挨拶」はキャロラインとの婚約記念に贈られた名曲だが、このセレナードは3回目の結婚記念日のプレゼントとして夫人に贈られたものらしい。たかだか10数分の楽曲だが、こんなにも切なく愛らしい音楽があるだろうか。
エルガーといえば「威風堂々」第1番が圧倒的に有名だが、先の「愛の挨拶」といい、チェロ協奏曲といい、このセレナードといい、弦楽器メインの楽曲に対して格別のセンスを発揮するようだ。エルガーのこういう大作はもっと注目されてもいいはずだ・・・。

この前の「宇宿允人の世界」のアンコールでバーバーの「弦楽のためのアダージョ」が演られて不覚にも涙がこぼれそうになった。弦楽合奏というのはどうも心の琴線に触れる波動をもっているようで若い頃から妙に好きなジャンルである。弦楽器の音は曲線的で、そういう意味では「水」の性質に極めて近いらしい。とにかく癒されるのだ。

ところで、今年はボールト没後25年。カラヤンや朝比奈の生誕100年が賑わっている中、このイギリスの名指揮者のことがほとんど話題にのぼらないことは悲しいことである。ビーチャムやバルビローリの陰に隠れ、ギュンター・ヴァント同様最晩年になってようやく一般的な人気を獲得した音楽家。特に彼の演奏するエルガーは素晴らしい。

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