Boston “Life, Love & Hope” (2013)

早7年が経過する。
ボストンの楽曲は、時間が経過すればするほど、一層味わい深くなり、一層心身に沁みるようになる。最新アルバムも初めて耳にしたときは、間違いなくボストンの音で歓喜したのだが、どこか腑に落ちないところもあるにはあった。

ボストンの音楽はまるでモーツァルトの音楽と同様、光と翳のバランスが見事だ。外面はとてもポジティブで前向き、一切の穢れのない、赤子の心のような様相を示す。前作”Corporate America”での不振(?)は、完全に払拭され、トム・ショルツを中心にしたボストン・サウンドが完璧に復活した。いや、復活ではない。新たにアレンジされ、再録音された”You Gave Up on Love”(2.0)を聴いてみよ。

あまりにも大切なものだから、そんなことしてはいけない。これは元々、「Corporate America」でリリースされた曲の新アレンジ&再録。
(トム・ショルツ)
~MICP-30055ライナーノーツ

キンバリー・ダームのヴォーカルをより前面にフィーチャーした、陰陽一体の新生であり、それこそが現在のボストンの神々しいまでの姿。次の帰還が待ち遠しい。

・Boston:Life, Love & Hope (2013)

Personnel
Tommy DeCarlo (lead vocals)
Tom Scholz (lead guitar, backing vocals)
Gary Pihl (rhythm guitar, backing vocals)
Kimberley Dahme (bass guitar, lead vocals, backing vocals)
Jeff Neal (drums, percussion, backing vocals)
David Victor (rhythm guitar, backing vocals)
Brad Delp (lead & backing vocals)

イントロから強烈な印象を残す“Heaven on Earth”のリード・ヴォーカルはデイヴィッド・ヴィクター。トムは言う、「地上の楽園」は滅多に見つけることができないのだから見つけたらずっとそこにいなさいと。それはその通りだろう。
そして、リマスターとなるブラッド・デルプの歌う”Didn’t Mean To Fall in Love”は、このアルバムのこの位置にあってより生きるというもの。亡きデルプのヴォーカルが美しくも完璧なり。あるいは、”Sail Away”の勢いに言葉を失い、タイトル・ソングである”Life, Love & Hope”の癒しに思わず涙がこぼれる。
最強は、ショルツ(すべての楽器を担当)とダーム(すべてのヴォーカルを担当)の二人による”If You Were in Love”!!!

持っていて最も価値ある3つのもの。本当に大切なものが何であるかに気づくためには、衝撃的な出来事を経験しなければならないこともある。
(トム・ショルツ/川原真理子訳)
~同上ライナーノーツ

すべてに感謝することだとショルツは言う。すべてを生かせとまたショルツは言う。

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