新しい風

新しい爽快な風が吹き込む。一方で古びた湿気たっぷりの風も通り過ぎる。中心に存在するものはどちらの影響も受ける。先にどちらの風を受けるのか?-そういう問題でもない。どちらの風力が強いのか?-またそういう問題でもなさそうだ。
風はどんな状態であっても風なのだ。自然は嘘をつかない。自然には意図も無い(多分)。ただそこに「ある」のである。

昨日の「第2回ハガキ祭り」にて、静岡のてづくり家具屋「鈴龍」のSさんお手製「一行詩の額」。

『すべては一人の思いから始まる』

何と当たり前で意味深い。そして何と温かい。

今日、11月の人間力セミナーで知り合ったKさんをMさんに紹介した。3時間弱途切れることなく会話も弾み、静かに優しい風がそこにはあった。そして何かが起こる予感も確かにそこにあった。

サン=サーンス:交響曲第3番ハ短調作品78「オルガン付」
シャルル・デュトワ指揮モントリオール交響楽団
ピーター・ハーフォード(オルガン)

とても久しぶりに取り出したCD。何かが起こる予感を感じさせてくれるオルガンの荘重な音色。第2楽章の第2部で突然に鳴り響くかの音は、大袈裟だが聴く者の魂を揺さぶるほどのエネルギーを持っている。爆笑問題が出演している、エン・ジャパンだかのコマーシャルのBGMとして使われているあの楽曲といえばわかるだろうか。

サン=サーンスといえば「動物の謝肉祭」の中の「白鳥」がことのほか有名なのだが、彼の真髄はやっぱり大曲にあると思う。このオルガン交響曲然り、歌劇「サムソンとデリラ」然り、ヴァイオリン協奏曲然り、である。とてもポピュラーな曲調の中に常に新しい発想や珍しい試みを施し、大衆をあっと言わせ、聴く者を感動させてくれる「大きな力」がその中にはある。何か「新しい風」が爽快に吹き込む気持ち良さを常に体感させてくれる名匠なのである。

作曲家のバックグラウンドを研究したり作品を聴き込んだりしたわけではないので確かなことはいえないが、サン=サーンスは神に対する「信仰心」は誰よりも強かったのではないだろうか。

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