ベルグルンド指揮デンマーク王立管 ニールセン 交響曲第5番作品50(1988.8録音)

カール・ニールセン生誕150年。

PROMS 89の記憶。
この日のメインプログラムがニールセンだったことは随分後になって知った。
当時25歳の僕にとっては未知の作品だったこともあり、曲そのものの印象は忘却の彼方。
しかし、真夏のロイヤル・アルバート・ホールでの光景は聴衆の熱気と共に今もまざまざと思い出すことができる。

ベルグルンド指揮デンマーク王立管のニールセン交響曲第5番(1988.8録音)ほかを聴いて思ふ ベルグルンド指揮デンマーク王立管のニールセン交響曲第5番(1988.8録音)ほかを聴いて思ふ

なるほど2つの楽章で構成された交響曲第5番を、あらためて具に聴き込むと、おそらくニールセンの最高傑作のひとつに数えられるであろう、革新的、かつ凝縮美に溢れる音楽に感動する。

・ニールセン:交響曲第5番作品50(1921-22)
パーヴォ・ベルグルンド指揮デンマーク王立管弦楽団(1988.8.15-18録音)

コペンハーゲンはオッド・フェロー・ホールでの録音。

2つの楽章がそれぞれ2つのパート、4つのパートで成っている。
(「古典的交響曲構成法の原理は全く棄てられているわけではないが、それは遠い次元として踏まえられており、そのうえに大胆な、独自の構成が行われている」とは菅野浩和さんの弁。言い得て妙だ)

緊密な陰陽の対比の中にあって、光と翳の描写が実に見事で美しい。
その上での音楽の持つ生命力の確かさ。何という緊張感! 何という集中力!

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