シュヴァルツコップ ワルター指揮ウィーン・フィル マーラー 交響曲第4番ト長調から終楽章(リハーサル)(1960.5.29収録)

1960年のウィーン芸術週間は、マーラー生誕100年記念祭。そこに、ブルーノ・ワルターが老体に鞭打って最後の渡欧を敢行、楽友協会大ホールの指揮台に立ったのである。
(世間は一大事だ)

シュヴァルツコップ ワルター指揮ウィーン・フィル ウィーン告別演奏会(1960.5.29Live)

メインプロは、マーラーの交響曲第4番ト長調、独唱はエリーザベト・シュヴァルツコップだった。

この世紀の大イベントの記録が初めてリリースされたのは僕が高校生の頃だった。

当時、決して良いとは言えない音質のレコードで聴いたからか、正直あまりよくわからなかった。それゆえその後はほとんどこの録音を積極的に聴く機会を僕は持たなかった。しかし、今や放送局蔵出しの正規録音がリリースされ、比較的良好な音でこのコンサートを聴くことができる。

ワルター指揮ウィーン・フィルのマーラー交響曲第4番ほか(1960.5.29Live)を聴いて思ふ ワルター指揮ウィーン・フィルのマーラー交響曲第4番ほか(1960.5.29Live)を聴いて思ふ

3度目の正直。今日三たび採り上げるのには理由がある。

何と、極めて小断片ながらこのときのコンサートのリハーサル映像を、しかも終楽章の光景を観ることができるのだ(コンサートマスターはヴィリー・ボスコフスキー)。ブルーノ・ワルター83歳、そして、エリーザベト・シュヴァルツコップ44歳のときの記録。ワルターの想像以上の若々しさに僕は注目する。

欧州に出かけてもあちこち動くのは体力的に無理だとしながら、さすがにグスタフ・マーラーの十字軍たるブルーノ・ワルターの気合いは違うようだ。

生気を取り戻し、嬉々として音楽に奉仕する老巨匠の姿に感動だ。

4 COMMENTS

タカオカタクヤ

いつもご丁重な返信、有り難く承っております。
私もこのリハ映像、タブレットでYouTube画像を探っている際に、遭遇しましてビックリでした。やはり、フィルム映像で動く巨匠の御姿を拝見叶いまして、投稿主さまに感謝あるのみでございます。
私も日本コロムビアの、OW-7214〜5のLPで所持しておりますものの、御指摘通りの明晰さを欠いた音質に隔靴掻痒…でございます。AItusからのCDが、大幅に明瞭な音質でしたら、よろしいのですが。

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岡本 浩和

>タカオカタクヤ様

やはりビックリでしたか!
断片ながら感激しました。

AltusのCDは1960年のものとしては決して良いとはいえませんが、コロンビアの例のLPレコードに比較すると十分良くなっておりますのでお手元に置いておかれても良いかと思います。
(現時点ではYoutubeにも上がっていないようですので)

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タカオカタクヤ

AltusからのCDでは、巨匠が引退直前の1956年に、フランス国立放送管弦楽団に客演し遺されたライヴも、リリースされておりましたね。
ただ、このマーラー生誕百周年記念のAltusからのリリース晩は、シュワルツコップの歌った短い3曲のマーラーの歌曲から、一曲が欠落しているとも聞いておりますが、どうなのでしょうか。

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岡本 浩和

>タカオカタクヤ様

ご示唆ありがとうございます。
確かに「リュッケルト歌曲集」から「われはこの世に忘れられて」が欠落していますね。
ただし、Altus盤の解説にはその理由など一切言及されておりません。
そうなると、この盤を最初に聴かれた人はもとから歌曲2つだったと誤解するかもしれません。
(何かリリースするにあたって問題があったのでしょうか)

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