
僕は昔から初期のドノヴァンに影響されていた、特に1965年のアルバム『FAIRYTALE』にね。その影響の一部はCRIMSONの“Moonchild”といった曲に及んだけど、それをさらに追求することはできていなかった。昔からあのケルト風フィンガー・ピッキングによるルーツ・ミュージックが好きだった。
~VICP-75103-4ライナーノーツ
Pete Sinfield:Still キング・クリムゾンを脱退して、最初に制作したアルバムがリリース40周年を迎えるにあたり、詩人ピート・シンフィールドがシド・スミスに語った言葉だ。
彼によると、ロバート・フリップがやろうとしていたことと対照的なアルバムを作りたかったらしい。
そもそもピーとあっての初期クリムゾンだと思う。
フリップとマクドナルドとシンフィールド、彼らのコラボレーションこそがキング・クリムゾンという奇蹟の発火点になったのだ。
メンバーの多くが脱退という選択をする中、フリップは「宮殿」の後、さらにそのコンセプトを推し進めようと苦心した。オリジナル・クリムゾンはここですでに崩壊するのだが、それでも前作と同じひな形を借りつつ革新を起こそうと意気込むフリップの意志が感じられる。個人的には、ピート・シンフィールドの詩の力が実に大きかったことに気づかされる。
ギリシャ神話が、否、西洋の没落を裏テーマに、真の平和の筋道をシンフィールドは、キング・クリムゾンは世界に問いかける。
ところで、邦訳「ポセイドンのめざめ」は誤訳らしい。
本意は「ポセイドンの後を追って」「ポセイドンの後に続いて」だと。
ギリシャ神話のポセイドンは、主神ゼウスの兄であり、海、嵐、地震、そして馬を支配する荒ぶる神。
ここでのピート・シンフィールドの詩が素晴らしい。
バランスの中にある世界にあって、すべては取るに足らないこと、幻想にとりつかれるのではなく、真実をとらえよという。
「平和」を主題に、序章、テーマ、終章にはさまれた楽曲は、すべてが意味深い。デビュー作「クリムゾン・キングの宮殿」をフォーマットにし、さらにコンセプトを突き詰めた傑作セカンド・アルバム。ティペットの加入により一層ジャズに傾いた音楽たちは、険しいエネルギーを放出すると同時に、前作同様叙情の光も放つ。
「平和/終章」が興味深い。
平和は自身の内を見つめることから始まるのだと。
答は外にはなく、自らの内にあるのだと。
「ケイデンスとカスケイド」については、ゴードン・ハスケルのヴォーカルが気に入らないとして、後にフリップはエイドリアン・ブリューのものと差し替えるが、個人的にはなくもがな(まして今や発表されているグレッグ・レイクのガイド・ヴォーカル・バージョンですら違和感があるくらい)。
・King Crimson:In the Wake of Poseidon (1970)
Personnel
Robert Fripp (electric guitar, acoustic guitar, Mellotron Mk II, celesta, piano, devices, production)
Greg Lake (vocals)
Michael Giles (drums)
Peter Giles (bass guitar)
Mel Collins (alto & baritone saxophones, flute)
Keith Tippett (piano, harpsichord)
Gordon Haskell (vocals)
Peter Sinfield (lyrics, sleeve design & inside painting, production)
結成直後のギグでも大変なエネルギーとパッションを放っていた「デヴィルズ・トライアングル」の興奮。ライヴこそキング・クリムゾンの本懐だったが、「宮殿」に収録された諸曲と同様、グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」から「火星」をモチーフにした音楽が、ものすごい爆発力をもって聴衆に伸し掛かる様子に言葉がない。
Epitaph Official Bootleg 1969 