昨夜、後楽園ホールで開催されたリアルジャパンプロレス『SPACE FLYING TIGER DROP』に出かけた。お誘いされるままに内容を知らずに行って吃驚。メインイベントには初代タイガーマスク&藤波辰爾&長州力にフリーの3人が挑む6人タッグマッチというプロレス・ファンからすると垂涎モノのカード。意外にあっさりと長州が勝利するという展開だったが、3時間余り十分に楽しませていただけた。プロレスの面白さは試合内容も当然ながらその野次にある。ただし、押さえどころがわかっていないとその野次も白けたものになりかねない。何度も通うことでその「間」や「呼吸」がつかめてくるのだろう。どんなものでも演じる側とお客側とのコミュニケーションが軸になっているんだということを確認した次第。
8月末にピーター・ゼルキンがオペラシティでリサイタルを開催するというのでチケットを手に入れた。シェーンベルクの作品11とベートーヴェンの作品110、そして「ディアベリ変奏曲」という重量級のプログラム。今から楽しみでならないのだが、実は「ディアベリ」についてはまだまだ完全に自分の愛聴曲になっているとはいえず(それは「荘厳ミサ曲」についてもいえる)、少々聴き込んで勉強せねばと思っているところ。いくつか音盤を所有しているのでオーソドックスな(?)バックハウスあたりから再挑戦するかな・・・と。
ところで、東京の天気は昨日に引き続き本日も秋模様。初秋のうら寂しさを感じさせてくれる(気温も21度~23度と例年より10度近く違うのでは?)。こういう日こそチャンスだと、先日雅之さんからお借りしたアルマ・マーラーの歌曲を中心に録音されたCDをじっくりと聴いてみた。
アルマ・マーラー:残された歌曲(全14曲)
日本の名歌
志村年子(メゾ・ソプラノ)
志村安英(ピアノ)
日本の侘び寂に通じる、高貴でありながら感傷的な(ラヴェルのワルツじゃないけど)旋律が、聴く者の心を捕える。
マーラーが結婚に際し、一切の作曲活動を辞め、夫の音楽活動に奉仕するよう求めた「関白宣言」を完全に受け入れ、実際に作曲の筆を折ったという話は有名だが、マーラーが死の直前にその禁を解いたのは、単に離婚の危機を逃れるためだけでなく、彼女の音楽的才能を今更ながら見出したということもあったのではないかと僕は思う。アルマが作曲したいくつかの歌曲から5曲を選び出し、フレージングとダイナミックを書き加え、「5つの歌」としてまとめたのはマーラー自身だし、以後自分の命がある間にアルマに作曲活動をするよう強く進めていることからもそのことがわかる。
アルマの、残された作品は今のところ歌曲のみのようだが、実際には作曲したであろう器楽曲や室内楽作品なども聴いてみたいものである。
おはようございます。
ピーター・ゼルキンは「ディアベリ変奏曲」をプログラムで度々採りあげていますよね。得意な曲なんでしょう、楽しみですね。
アルマ・マーラーの歌曲でまとめて録音されたCDは少なく、ご紹介しました国内盤は対訳もついているのでありがたいです。日本歌曲とカップリング意図が不明なのと、歌唱は肩に力が入り過ぎているような気がしないでもないですが、アルマの歌曲が殊玉の逸品であるということが、よく理解できますよね。
クララ・シューマン、ファニー・メンデルスゾーン、アルマ・マーラー。この3人の女性作曲家のなかで、アルマは公表されている作品数では他の二人よりずっと少なく地味ですが、単にクラシック音楽だけの狭い価値観に限定しなければ、逆に、三人の中で最も現代の女性が共感し得る人生だったのではないでしょうかね。
もし大河ドラマの主人公にする企画書を書くなら、クララはブラームスとの関係が湿度が高く後半になるに従い鬱陶しいし、ファニーは姉弟による過度な近親愛が一般的ではないし、アルマのヒロインが断然女性が観てもカッコよくて天晴れな人生で華があり、視聴率が稼ぎやすいと思います(笑)。
http://www.geocities.jp/takahashi_mormann/Articles/almamahler
>雅之様
おはようございます。
「ディアベリ」についてはご推薦盤あればぜひおすすめください。
アルマの作品は初めて耳にしました。おっしゃるように珠玉の逸品ぞろいだと僕も思いました。
それと、どうせならファニーやクララの作品とカップリングしてほしかったですよね。
>アルマのヒロインが断然女性が観てもカッコよくて天晴れな人生で華があり、視聴率が稼ぎやすいと思います
確かに!!これは面白い脚本が書けそうですね!