バロック時代の未来派音楽?!

単なる記憶の集積に過ぎない過去にすがらず、未来に向けて希望をもって進んでゆくことが大事。特に人間関係においては、世を騒がすどんな事件においても害を加える方も被る方も過去に対する執着がそういう事実を結果的に呼んでいるのでは・・・。
人と人との関係は常に5分5分。それこそ喧嘩両成敗でどちらも正しいし、どちらにも非がある。だからこそ起こってしまった事柄についてはきっちりと反省し、同じ過ちを二度と繰り返さないという誓いを自らに立てた方が良い。
今朝も阿部さんの「いまここ」記事を読んでいてそんなことを思い知らされた。気づきの連続で、しかもそれがとてもわかりやすい言葉に翻訳されており本当に素敵。

世間が何と言おうと、事実は当人同士の中にしかない。それも双方に原因があるというのが常。ゆえにそれぞれが自分自身を振り返り、自分自身を戒めることが最適なんだとあらためて思う。

音楽は過去の記憶とつながっている。クラシック音楽でもポピュラー音楽でも、それを一生懸命に聴いていた時代とリンクする。勝手にその当時を思い出し、その時の気持ちに再没入して泣いたり笑ったり・・・。こうなったら過去の作品にすがらず未来の音楽を聴いてみたい。おそらくバロック期のテレマンなども当時としては未来派音楽だったろうし、19世紀後半のワーグナーの音楽もその時の人々からは限りなく理解不能の前衛音楽だったのかも。その意味では、現代に聴き継がれているいつの時代のどの作品も時代の随分先を行っていたということ。

クーベリックがバイエルン放送響と録音したワーグナーの「ローエングリン」第1&第2幕を耳にして、その美しさに打ちひしがれた。その時外面的にはまったく対極にありながら類似性を感じたのがテレマンのリコーダー・ソナタ集。「ローエングリン」は上演に何時間も要する大作だが、僕的にはどちらかというと気を張らずに聴け、耳に馴染みやすい親しみやすさを感じる。そう、一言で言えば疲れない、双方ともそんな音楽なのである。ところで、先般、アルト・リコーダーを始めようと購入したものの練習は遅々として進んでいない。そんな中、今日という機会にこの楽器の持つ温かさにまた触れ、音楽が人々に与えるプラスの影響について思いを馳せた。

テレマン:リコーダー・ソナタ集
アンサンブル・トリプラ・コンコルディア

いつものようにBrilliantレーベルの廉価盤だが、録音良し、演奏良し、価格は800数十円と破格。こういうシリーズを多くの方に、とりわけクラシック音楽入門者に聴いていただきたいと切に願う。

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