一発屋

horst_planets_davis_lso.JPG今週末、いよいよ愛知とし子「ロシアン・ファンタジー」が開催される。ロシアの錚々たる作曲家の名曲が目白押しのコンサートだが、何といっても作家でカウンセラーでもある晴香葉子さんとのコラボが聴きものである。その晴香葉子さんNPO法人ザ・シチズンズ・カレッジ第103期講座に登壇されるということで早速お伺いした。会場は大手町のKDDIホール。

「願いが叶う4つの贈り物~豊かな人生を創造する秘訣~」というテーマで90分間の講演。ポジティブ心理学の第一人者として活躍されているということだが、この「ポジティブ心理学」が僕の仕事に役に立つのではなかろうかと直感的に感じ、どうしてもお話を聴いてみたいと思ったのである。結論、とても勉強になった。

4つの贈り物とは下記の通り。
①1日を良い瞬間でいっぱいにする。(写真やグッズも効果的。ポジティブな瞬間を携帯)
②心を強くする100の幸せ。(当たり前の100の幸せを知ること)
③好きなこと、向いていることをしている瞬間を増やすこと。
④勝手に素敵でいること。(楽観性、魅力を知っていること、テーマを持っていること)

特に気に入ったのは①と②の二重構造。つまり、誰でも平等に24時間という時間を持っていて、日々「当たり前の幸せ」を感じる瞬間を意識すること、そして、中でも最高の「良い瞬間」を常に思い出すことで自身の才能が自ずと開かれて行くんだということを教えていただいた。これって「当たり前」のことだが、なかなか実際には忘れがちなことだ。ありがとうございます。

ところで、どこの世界でも「一発屋」といわれる人々がいる。お笑いなどでは半ば嘲笑的に扱われながらも、逆にそれを「売り」にしてしまうケースも多い。しかし、たとえ一発であるにせよ爆発的ヒットを生み出したという実績は事実であり、その意味では彼らは実に神々しい、輝かしい才能をもった人たちなんだと僕は評価する。常に大衆から評価される作品を生み出せるに越したことはないだろうが、そんなことは100年に数人出るか出ないかという天文学的確率で登場した「特別な」人たち、いわゆる天才にだけ与えられた芸当である。ひょっとするとそういう天才も限りない努力を積み重ねての賜物としての結果が評価されているのだろうから、コンスタントに成果を挙げ続けることほど困難なことはなかろう。

昔、まだ中学生だったか、The Knackというバンドがあり、” My Sharona”という曲が流行った。バンドの顔だったDoug Fiegerが一昨日癌で亡くなったという。まだ57歳。冥福をお祈りする。

ちなみに、僕が好きな一発屋にスニーカーというバンドがある。今聴いても泣けるほど美しいメロディ、そして声。

Sneaker:More Than Just Two Of Us

1回でも当たれば良い。普遍的、永遠のものが残せるなら人として本望だろう。

ということで、僕の中では限りなく「一発屋」に近い認識を持つ作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」を聴く。2002年、ワールドカップの時期にロンドンに旅した、その時にバービカン・ホールで実際に触れたロンドン響ライヴの実況録音を。

ホルスト:組曲「惑星」
サー・コリン・デイヴィス指揮ロンドン交響楽団&ロンドン交響合唱団女声コーラス(2002.6.27-30Live)

確か前プロはサラ・チャンを独奏者に迎えたブラームスのコンチェルトだったと記憶する。いずれもきびきびとした名演奏だった。


4 COMMENTS

雅之

おはようございます。
>誰でも平等に24時間という時間を持っていて、日々「当たり前の幸せ」を感じる瞬間を意識すること
まさしく、水前寺清子 「三百六十五歩のマーチ」といった気分ですね(笑)。
http://www.youtube.com/watch#playnext=1&playnext_from=TL&videos=dVL_YAZOtx4&v=DkAVtrDZCmE
>僕の中では限りなく「一発屋」に近い認識を持つ作曲家グスターヴ・ホルスト
吹奏楽を少しでもかじったことのある人にとっては、ホルストは「惑星」だけの作曲家ではないのは周知の事実です。例えば「吹奏楽のための第1組曲 変ホ長調作品28-1」という作品など、吹奏楽経験者なら誰もが知っている傑作です。
吹奏楽のための第1組曲 ~第3楽章「マーチ」
http://www.youtube.com/watch#v=4rTYJ3e6F6g&feature=related
「シャコンヌの主題による全曲の統一、対位法的処理、見事な楽器用法、と、吹奏楽の魅力たっぷりの傑作」(『クラシック・ディスク・コレクション301』音楽之友社 磯田健一郎氏の解説より)なのです。
私も、「惑星」と同じくらい好きな曲です。高校時代、吹奏楽をやっていた友人のことを懐かしく思い出したりもします。

返信する
岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
水前寺清子 「三百六十五歩のマーチ」!!
懐かしいです。名曲ですね。
あらためてその歌詞を聴いて納得しました。
ホルストについては不勉強ですいません。
というより、ロックについてはブリティッシュものに相当熱をあげたくせに、クラシックのイギリスものについては深く追求しきれてないんです。前にもブリテンの「パーセルの主題」について書いたときに雅之さんからお言葉をいただきましたが、そういうレベルなんですよね。
ぜひこれからもいろいろとご教示お願いします。

返信する

コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む