直感を大切に-そろそろショスタコ・モード

richter_shostakovich.jpgとある朝会で寺田真理子氏の「読書セラピー」というものに出逢った。読書で自らを啓蒙し、「うつ状態」からの回復を提唱されているとても興味深い内容。少々のワークを入れ、質疑応答を含め2時間ほどの会であったが、とても有意義だった。
彼女のプロフィールをお聞きすると、これまた幼い頃から様々な体験をされており(父親の仕事の関係で中南米諸国に子供の頃から居住されていたとのこと)、そのお話をざっくりと聞くだけでも十分に面白いもので、開始直前にIさんから急遽電話をいただき、行くかどうか迷ったのだが、直感的に行こうと判断し、結果収穫があり、お伺いして良かったと思う。

日々の生活の中で人間は決断を迷うことが多い。よく言われていることだが、迷ったら行動-要は「直感」を大切にせよということである。

ところで、7月12日(土)&13日(日)に名古屋(正確には春日井市勝川)で、「人間力向上セミナー」の開催が正式決定した。この4月から名古屋に転勤になったS君が中心になって受講生集客活動を仕事の傍らすすんでしてくれる。もちろん少人数での実施には違いないのだが、地方の意識の高い方々にも提供したいと常々考えていたものだから、今回のように支えてくれる協力者がいるということはとてもありがたいことである。感謝。-名古屋に知人がいて、「人間力向上セミナー」にご興味ありそうな方がいたらお声掛けくださいm(_ _)m

ショスタコーヴィチ:ピアノ五重奏曲ト短調作品57
スヴャトスラフ・リヒテル(ピアノ)
ボロディン弦楽四重奏団

10年ほど前にビクターから発売された「黄金期のロシア・マエストロ・シリーズ」~リヒテルの詩情のうちの1枚。30数分のこの曲のみが収録されている贅沢盤。
僕はこの楽曲をのめりこんで聴いていた時期がある。1940年、作曲者34歳の時の、まさにショスタコーヴィチの最高傑作と信じて疑わない作品なのである。もともとピアノに長けていたショスタコーヴィチだけあり、「24の前奏曲とフーガ」然り、ピアノ協奏曲第1番然り、ピアノ三重奏曲然り、ピアノの絡む音楽に当然の如く名作が多い。第1楽章冒頭の意味深い哲学的なピアノによる前奏。それに応えるかのように続く哀切極まりない弦楽の調べ。
音楽が始まるや否やの「感性刺激」の波状攻撃とでも言おうか。第2楽章、プロコフィエフが絶賛したという深遠で意味深いフーガ。一聴、いかにもショスタコーヴィチのスケルツォという乱痴気騒ぎ風の第3楽章。チェロのピチカートをバックに美しいメロディーが紡がれる第4楽章。そして、優雅で高揚感溢れるフィナーレ。あぁ、思い出すだけでこれほど心が躍る音楽があるだろうか・・・。
演奏しているのは今は亡きリヒテルとソビエトを代表する四重奏団ボロディン・カルテットだが、旧ソ連の演奏家の質はやはり特別である。西欧自由諸国にない不思議な独特の「精神性」。そして、訓練・鍛錬そのものに対する厳しさが明らかに聴いて(見て)とれる。彼らは要するに軍部が強力な権力を持った国家を背負った公務員であり、芸術そのものに対する-というより仕事に対する固い意志と真摯な姿勢は並大抵ではない。

来週は第17回「早わかりクラシック音楽講座」だ。そろそろショスタコーヴィチ・モードに入ろう・・・。

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