懐かしきThriller

michael_jackson_thriller.jpgワークショップZEROは人間力向上セミナーと銘打っているが、その裏に隠されたメッセージとして「ひとつになる」ということを掲げている。10年前は、世の中でナンバー1になるべくスキルアップが必要だということで学生に対して「土台」のブラッシュアップを提示していたが、今となっては、「癒し」がテーマであり、誰もが「一体化」を求めているのではないかと考えるからである。今日も電話で、あるいは打合せで何人かの方々と話をさせていただいたが、最終的に行き着くところがその「ひとつになる」ということであった。きちんとロジカルにお話をさせていただくと大抵人は皆理解してくれる。右肩上がりの経済成長も重要だが、それ以上に大切なのが「ひとりでも多くの人が他者に意識を向け、自ずと他人のために動ける社会を創生すること」だと思うのである。

1980年代の初頭、まだ僕がティーンエイジャーで大学に入りたての春先のことをふと思い出す。田舎から東京に出てきて、見るもの全てが新鮮で、ある意味浮き足立っていた青二才の頃。高校時代、「クラシック音楽こそが音楽なり」という勝手な概念でいわゆるロックやポップスといったジャンルの音楽を馬鹿にしていた。それでも大学に入るなり、友人からThe Beatlesを薦められ、一気にその世界に開眼させられたこと。MTV創成期で、来る日も来る日もテレビでかの番組を観ていた。そして、巷ではディスコ真っ盛り。右も左もわからないまま何となく会場に足を運ぶと、マイケル・ジャクソンやジャーニー、そしてポリスの音楽などがとめどなく流れていた。懐かしき旧き良き時代なり。もう26年も前の話だが、不思議に思い出される。

Michael Jackson:Thriller

今更言うまでもないモンスター・アルバム。クラシック音楽にしか興味を持たなかった僕が、一聴もっていかれたBlack Contemporaryの超名盤。収録曲のほとんどがシングル・カットされたはずだが、本当に一つの駄作もない完璧なレコードである。六本木のディスコで初めて聴いた「Beat It」に文字通りぶちのめされ、ムーン・ウィークを披露した「Billie Jean」にいかれた。このアルバムを聴くたびにあの頃を思い出す。バブル期に入った頃の浮かれた日本国の首都で、浮かれた大学生時代を送っていた能天気な時代。その時代が生んだ永遠かつ最高の音楽は、27年を経た今の時代にも燦然と輝きを失わない。

それにしてもマイケル・ジャクソンは今となってはその才能を無駄遣いしているように思う。得意な音楽に一点集中し、創作を続ければいいものを、例えば様々な奇行に走り、我々凡人が理解できない
域にまで行き着いてしまっているところ・・・。少なくともこの音盤のジャケットに使われている写真を見る限り、人間として極めて自然だ。今のマイケルはとても「人間」には見えない・・・。


3 COMMENTS

雅之

おはようございます。
1980年代、ディスコ、合コン(当時は単にコンパ)・・・、本文を読んでいろいろ思い出しましたよ(笑)。私はモテなかったので、モテる友人と行動を共にし、隙を見て漁夫の利を得る、といった狡猾な作戦を採り、見事に成功したこともありました(動物行動学的!・・・爆)。
ご紹介の、マイケル・ジャクソンの「Thriller」も懐かしいですねぇ!彼の「現在」については、私も悲しいです。
どんどんこの時代の思い出を芋蔓式に思い出します。初めて当時の「彼女」と観に行った映画は、1983年公開の「フラッシュダンス」でした・・・。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1357987
ダンスやディスコの思い出と言えば、私は岡本さんより少し年上なので、原点は高校の時の友人(男ですが・・・爆)と観た映画「サタデー・ナイト・フィーバー」でした。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2596021
これはビー・ジーズの音楽共々、強烈な印象を残した映画でした。今観ると、マンハッタンの繁栄の象徴として映画の随所に映っているワールドトレードセンターのツインタワーが感慨深いです。もう30年以上も昔になるんですね!・・・。
今朝は、岡本さんの文章に触発され、昔の諸々のことを思い出しました。
こぞの雪、今いずこ・・・。

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岡本 浩和

>雅之様
おはようございます。
>モテる友人と行動を共にし、隙を見て漁夫の利を得る、といった狡猾な作戦を採り、見事に成功したこともありました
そういう奴いましたねぇ(笑)
>1983年公開の「フラッシュダンス」
おー、懐かしい!LP持ってますよ、いまだに。ちょうど僕が大学に入学した年で、メチャクチャ流行りましたね。
>映画「サタデー・ナイト・フィーバー」
これは、多分中学かそこらでしたかね。当時はポップスは見向きもしていなかったのでオンタイムで映画を観たり音楽を聴いたりはしなかったですが、ビージーズ最高ですね。このサウンドトラックは名曲揃いです。
>昔の諸々のことを思い出しました。
考えてみれば40歳も半ばで、自分では若いつもりですがもう「おじさん」ですものね。昔を懐かしむっていうのも「おじさん」ぽい行動です(笑)。

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アレグロ・コン・ブリオ~第4章 » Blog Archive » All right!!

[…] 爆発的なヒットを生んだ後、創造者は誰もが苦しむ。 ポピュラー音楽において、コンスタントに優れた作品を生み続けたアーティストの代表格はThe Beatlesかもしれないが、それとてわずか7,8年という限られた時間の中での話だ。優秀なアルバムが必ずしも売れるというわけではないから判断が難しいところだが、内容的にも高度で、しかもセールス的にも圧倒的な成果を収めた音楽作品というのはポピュラーの世界でも決して数は多くないように思う。Michael Jacksonの”Thriller”などはモンスター・アルバムの筆頭だろうし、The Beatlesに限って言えば”Abbey Road”はまさにそういう作品であるように僕は思う。ちなみに、Eaglesが1976年にリリースした”Hotel California”は全世界で1200万枚売れたという。このアルバムは今聴いても決して色褪せない。こういう普遍的でレベルの高い作品がポピュラーの世界において存在するのだから多角的音楽愛好趣味というのは止められない。 […]

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