志、恒、識あるを要す

evans_hall_undercurrent.jpgいつの間にか5月。どうということのない長閑な一日だったが、慌しく過ぎた日でもあった。午前中に事務作業をこなし、恵比寿に出掛ける。先日の「人間力向上セミナー」の個人セッションを1件こなし、その後は市ヶ谷へ。駅上のスターバックスで2時間ほどミーティング。結局20:00頃に帰宅し、ひとり寂しく(笑)食事をしていたら、相方が弟T君同伴で帰ってきた。T君も仕事が忙しいようで1ヶ月半ぶりかな。GWは時間があるらしく、まだ終わってなかった個人セッションの予約を受け、談笑。何だかみんな人を求めてるんだな。「親和」の交流は重要だ・・・。
恵比寿での個人セッションでもそうだったし、T君との世間話の中でも同じ話題が出たのだが、セミナーで「学んだこと」を日常の仕事の中で体感的に気づけた瞬間があったという。セミナーを受講してなければもちろん気づくことなく素通りしていたはずだともいう。なるほど、やっぱりあの2日間の凝縮された「学び」は非常に意味があるものだと手前味噌ながら実感した。

ところで、今日も出掛ける前に、ふとテレビをつけたらNHKで漢文学者の故白川静氏がドキュメンタリー番組に出演しており、モノを極める秘訣を次のように語っておられた。
一.『志あるを要す』
何事もまずはモティベーションありきということ。夢や志なくして何も起こらない。首肯。
一.『恒あるを要す』
夢を持ったらば、とにかく継続することが大事だと。何事も積み重ね。首肯。
一.『識あるを要す』
知識、良識を持ち、正しい価値判断ができないと、どんなに「志」や「恒」があってもうまくいかないという。なるほど、首肯。

自分が何をしたいのかという「動機づけ」が曖昧な若者が多い。何でも中途半端になってしまう輩もたくさんいる。そして、頭でっかちで「体感的」知識が少ない輩も数多い。誰しもそれぞれ問題をもつ一方、潜在的能力ももちあわせている。気づいていないのか、自分自身を受け入れていないのか・・・。
人としてとても大事なことを気づける場を提供すること。とにかくそれが僕の課題であり、仕事だ。

Bill Evans / Jim Hall:Undercurrent

ビル・エヴァンスがジム・ホールとコラボレートして発表したお洒落な一枚。1962年の録音だからもう46年も前のことになる。1961年にベーシスト、スコット・ラファロを交通事故で突如亡くし、茫然自失の状態となり、不滅のトリオはしばらく休止状態に陥ったのだが、Evansは翌年からソロの録音やコラボレート・アルバムをいくつか発表している。そのうちの1枚が当アルバム。実際の録音の現場は悲しみ癒えないBillの不調で大変だったらしいが、舞台裏のことはあまり詮索することなく純粋にこの音盤に耳を傾けてみよう。聴きどころはやはりJimの技巧的なギター・プレイだが、Billの哀愁感漂うピアノ・プレイも見逃せない。どちらが主でも従でもなく、同等のテンションで静かな火花を散らす様は、掛け値なしに賞賛ものだと断言してもよい。必聴!
しかし、1曲目の「My Funny Valentine」のテンポはいくらなんでも速すぎるのではないか・・・(決して悪いとはいわないが)。この曲はやっぱりChet Bakerの名唱に止めを刺す。

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