宇宿允人指揮フロイデ・フィル バーバー 弦楽のためのアダージョ(2008.5.26Live)

リアルで、またオンラインで仲間たちと対話をしながら思った。
一人一人が良心に目覚め、慈しみの心で事を実践できたなら、世界は間違いなく平和になるだろうと。先人の「目で聴き、耳で見よ」という言葉通り、共鳴し、共感することの大切さをあらためて痛感する。

2008年5月26日の東京芸術劇場。
宇宿允人指揮フロイデ・フィルハーモニーがアンコールで披露したサミュエル・バーバーの弦楽のためのアダージョは屈指の名演奏だった。宇宿さんが世界平和を祈りつつ棒を振ったあのバーバーは、今思い出しても目頭が熱くなるほどだ。

ちなみに、僕の座右の音盤は、レナード・バーンスタインがロサンゼルス・フィルを指揮して録音したグラモフォン盤だ。あれは、哀惜と官能が同居する一世一代の名演奏だが、あれを凌駕するのは宇宿允人の実演以外にない。

音楽とは一期一会の芸術なのだとつくづく思う。時間と空間を共有し、たった一度きりの演奏に触れることがどれほど感性を刺激するか。

第175回「宇宿允人の世界」
チャイコフスキーの夕べ
2008年5月26日(月)19時開演
東京芸術劇場大ホール
・バレエ組曲「くるみ割り人形」作品71a
・交響曲第4番ヘ短調作品36
~アンコール
・バーバー:弦楽のためのアダージョ作品11
宇宿允人指揮フロイデ・フィルハーモニー

「くるみ割り人形」も交響曲第4番も、演奏の瑕は横に置くとして、いずれも好演だったのは確かだ。しかし、真の祈りのこもったバーバーの名演奏によってすべてが霞んでしまった。今も僕の心に残るのは前述の通り渾身のバーバーだ。


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