Bernstein Thanks Shostakovich in Moscow (1959)

冷戦時代の1959年、米ソの偉大な音楽家同士の邂逅。
紹介を受け、遠慮がちにステージ前へと進み、徐に指揮者と握手をする作曲家の姿に心が動く(この人を媒介にして数多の傑作たちが生み出されたのかと思うと思わず鳥肌が立つ)。あるいは、戦火の最中作曲されたかの勝利の交響曲を激烈なパッションとスピードで再生する指揮者とオーケストラの意志にも感極まる。

レナード・バーンスタインがドミトリー・ショスタコーヴィチに与えた賞賛と感謝の思い。
短いフィルムだが、実に感動的。
「レニングラード」交響曲第1楽章アレグレットのいわゆる「戦争の主題」が何と生命力に満ち、希望をもって奏でられることか。

モスクワでの最後のコンサートを終え、バーンスタインはソヴィエトの聴衆に訴えかける。二度と残忍な戦争という罪を繰り返さないようにしましょうと。そして、ニューヨーク・フィルハーモニック共々、自分たちの音楽的使命がこの国に何かをもたらすことができたとするなら心から感謝をしたいと。

今日も、世界のどこかで相変わらず戦争は起きている。
相も変わらず人間同士の欲と欲のぶつかり合い、あるいは、各々が「私は正しい」という立場からの終わることのない罪の擦り付け合い。すべては僕たち一人一人がいかに意識の次元を上げ得るかどうか。

・Bernstein Thanks Shostakovich in Moscow (1959)

過去記事(2018年3月16日)

人気ブログランキング


コメントを残す

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

アレグロ・コン・ブリオをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む