コンパクト・ディスク

コンパクト・ディスク(CD)が発売されてちょうど25年が経過する。プレーヤーは愚か、ソフトそのものも高価(確か1枚4,200円とか、安くても3,500円ではなかったか)で、当時浪人中の身だった僕にとって高嶺の花だったことを昨日のように思い出す。初めて購入したCDはブルーノ・ワルター指揮するマーラーの「大地の歌」であったことは先日のブログで書いたとおりだ。2枚目はクレンペラー指揮するベートーヴェンの序曲集。その後は当時話題になった初めてCD化されたフルトヴェングラーの「バイロイトの第9」(今年の話題の一つとして、51年バイロイトの第9バイエルン放送蔵出しの音源が発売されたことである。つい先日僕も購入し聴いてみたが、従来のEMI盤と明らかに違う。)やシャルル・デュトワの指揮する「春の祭典」など少しずつ収集していくことになるのだが、コレクションも相当な数(数えていないので不明だが4~5,000枚はあるかもしれない)になり、今では時折購入はするものの、その数はピークのときに比べて随分減った。昔と違ってマイナー・レーベルが活況を呈する昨今はクラシック音楽だけに限っても毎月発売されるCDの数は尋常ではないし、興味のある音源は底なしにあるのだが、一つ一つを追えるわけでもなく、随分蒐集熱は冷めたように我ながら感じる。

そんな中、問題になっているのが「ネット音楽配信」。1曲1曲好きな曲をポータブル・プレーヤーにダウンロードして聴くという音楽視聴方法である。物ではないので嵩張らないということ、あるいはお店に行く手間や運送に要する時間が省けて効率的であるということなどメリットは多い。音質にそうそう拘らない一般的なリスナーにとってみればこれで充分で、便利といえば便利なのだろう。しかし、一方、僕のような「集めること」を趣味とする人間にとっては「ネット配信」はとても味気ない。要は、書籍でもCDでも、自分の好きなものは「物」として所有したいのである(ジャケットだって欲しい)。それにLPレコードのときよりは薄まっているというものの、CDをプレーヤーに乗せるときの緊張感や期待感など、一筋縄では語れない「悦び」に近いものが音楽を鑑賞するという行為の中に含まれているということも忘れてはならない。
今になって、結局アナログ・レコードが見直されている状況から考えてみると、商業的には「音楽配信」に押されてはいるがCDも無用になることは決してないと思う。

J.S.バッハ:ブランデンブルク協奏曲全集
アンドリュー・パロット指揮タヴァナー・プレイヤーズ

20年近く前に購入した輸入盤。既に廃盤のようで今は手に入らない。購入当時は近代オーケストラによる重厚な音楽を好んで聴いていた僕にとってある意味衝撃的な音盤であった。ピッチの高い古楽器の何よりも典雅で軽やかな雰囲気がバッハのこういう曲にはぴったりで、以降様々な古楽器演奏や中世・ルネサンス音楽に興味を持ち、あれこれと漁り聴いたことを思い出す。バッハの入門曲のようなものだから最近でこそほとんど聴く機会はないが、全6曲、様々な楽器の組み合わせによる協奏スタイルは後世の様々な作曲家に影響を与えただけあり、聴いていてとても楽しく心地よい。何よりも耳に邪魔にならないところが素晴らしい。究極のリラクゼーション音楽。「愛」の音楽。

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