ミッコ・フランクがどうにも与沢翼にしか見えない件。(笑)
若くしてデビューし、欧州を席巻していた頃は、その童顔に比して厳しくも大らかな音楽を演るものだと驚愕したが、久しぶりに彼の演奏を見て、その厳しさは相変わらずだなと思った。
そういう彼も45歳になったようだ。年齢を重ねてますますその童顔ぶりに拍車がかかっている。それに、身長も随分低いように見える。指揮台上で椅子に腰かけて指揮するときが多く、身体の調子が万全ではないのか、それとも先天的な(身体上の)問題でも抱えているのか、少し気になった。
同年のヒラリー・ハーンとのシベリウス。
出てくる音楽はやっぱり素晴らしい。
・シベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)
ミッコ・フランク指揮フランス放送フィルハーモニー管弦楽団(2019.5.2Live)
コロナ禍前の平和なパリは、メゾン・ド・ラ・ラジオ・オーディトリウムからのライヴ収録。
奏者から醸し出されるパッションとエネルギー。
ヒラリー・ハーンのヴァイオリンは、シベリウスの荘厳な音楽を外へと広げる。
「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と作曲者が語る第1楽章アレグロ・モデラート冒頭から彼女の独壇場。美しい。
また、ひと際透明な第2楽章アダージョ・ディ・モルトの憂愁が魂を刺激する。そして、終楽章アレグロ・マ・ノン・タントの愉悦こそミッコ・フランクの真骨頂。
良い演奏だ。