Antonio Carlos Jobim “Wave” (1967)

「なぜ、人の心は夢を追い続けろと言わないのですか?」と少年は錬金術師にたずねた。
「それが心を最も苦しませることだからだ。そして心は苦しみたくないのだ」
その時から、少年は自分の心を理解した。彼は心に、お願いだから、話しかけるのを決して止めないでくれと頼んだ。そして自分が夢から遠くへそれてしまった時は、強く言い張って警報を鳴らしてほしいと頼んだ。そして、警報を聞いたら必ず、そのメッセージに気をつけるからと誓った。
その夜、彼はこのことをみな、錬金術に話した。錬金術師は、少年の心が大いなる魂に戻ったことを知った。

パウロ・コエーリョ/山川紘矢+山川亜希子訳「アルケミスト 夢を旅した少年」(角川文庫)P156

特に残暑厳しい晩夏に、あるいは初秋にアントニオ・カルロス・ジョビン(1927-94)。
その昔、外務省主催の「中南米フェスティバル」とやらに関わらせていただいた時期、僕はロベルト・ゴジェネチェをはじめとしたタンゴやボサノバの巨匠に直接会い、その音楽を生で聴くチャンスをいただけた。
中南米の音楽の持つ魅力をわずかながら感じさせていただいたフェスティバルの後、僕は早々とその業界を後にしたが、そのときの記憶は時とともにより鮮明になり、僕の人生に影響を及ぼした。

・Antonio Carlos Jobim:Wave (1967)

Personnel
Antônio Carlos Jobim (piano, guitar, harpsichord, vocals)
Claus Ogerman (arranger, conductor)
Urbie Green (trombone)
Jimmy Cleveland (trombone)
Raymond Beckenstein (bass flute, flute, piccolo)
Romeo Penque (bass flute, flute, piccolo)
Jerome Richardson (bass flute, flute, piccolo)
Joseph Singer (French horn)
Ron Carter (double bass)
Dom Um Romão (drums)
Bobby Rosengarden (drums)
Claudio Slon (drums)

無心のアントニオ。
ボサノバの嚆矢としてのアントニオの憂愁美、あるい退廃美。
僅か30分と少しのアルバムが与える革新と、いつまでも廃れることのないパワーに言葉がない。録音から57年もの年月が経過する。
名作は時空を超える。
今宵は満月。

“GETZ / GILBERTO Stan Getz Joao Gilberto featuring Antonio Carlos Jobim” (1964)を聴いて思ふ Antonio Carlos Jobim:Jobim(1972.12録音)を聴いて思ふ Antonio Carlos Jobim:Jobim(1972.12録音)を聴いて思ふ “GETZ / GILBERTO”を聴いて癒される “GETZ / GILBERTO”を聴いて癒される 「間」 「間」

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