第7交響曲の双生児たる交響詩「タピオラ」。
これをもってシベリウスは大曲(?)の作曲に終止符を打つが、ここには、出版譜に掲げられた以下の4行詩が示すように、神々宿る森羅万象の神秘が大変な集中力で描かれており、実に素晴らしい(最高傑作の一つだ)。音楽の持つ求心力、そして聴衆の魂にまで働きかける遠心力、その両方が20数分の音楽の中に確かにある。極めつけの凝縮美。
Wide-spread they stand, the Northland’s dusky forests,
Ancient, mysterious, brooding savage dreams;
Within them dwells the Forest’s mighty God,
And wood-sprites in the gloom weave magic secrets.
レイフ・セーゲルスタムのシベリウスには信念があり、巨匠へのただならぬ敬愛が表現される。
・シベリウス:交響詩「タピオラ」作品112
レイフ・セーゲルスタム指揮トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団(2015.10.8録音)
大自然への慈しみとでもいうのか、峻厳な音調の中に、時折顔を出す愛ある旋律に神々が統べる世界の平安を思う。
高原の夜は秋の空。
セーゲルスタム指揮トゥルク・フィル シベリウス 交響曲第6番ニ短調作品104(2015.12.11Live) セーゲルスタム指揮トゥルク・フィル シベリウス 交響曲第7番ハ長調作品105(2015.12.11Live) セーゲルスタム指揮トゥルク・フィル シベリウス 交響曲第4番イ短調作品63(2015.12.10Live)