すべては調和を保つ

元々複数の書籍を並行して読むのが趣味なのだが(そうすると全く違ったジャンルのものを読んでいても必ずと言っていいほどシンクロがあるところが何より面白い)、ここ数年いろいろな理由からそういう読み方から遠ざかっていた。数日前から並行読みを再開したが、これがまた楽しくて仕方がない。巷には速読術なるものも存在するが、自分のペースでじっくりと読むのが好きな性格。それでも、読みたい書籍は山ほどあり、限られた時間の中でどういう風にそれをこなしてゆくかが今の課題。朝起きぬけに一冊。電車の中でもう一冊。日中、時間のある時にさらに別の一冊。そして寝る前にも一冊。というようにシチュエーションによって分けているが、一方、日によって気分も変わるので、その時々気が向いたものを手に取って読み進めようと考えている。

先日から朝晩の瞑想を継続しているが、これが頗る調子良い。あわせて断酒も決行したが、極めて体調良し。お蔭で無駄に時間を過ごすことが少なくなり、本を読める時間も一層確保できるようになった。そんな状況でまた気になる本を発見。

昨年の今頃、菊地成孔氏と大谷能生氏の共著作の話題で随分盛り上がらせていただいたが、当時どうしても欲しかったが絶版で手に入らなかったタイトルがいよいよ文庫本化された。
『菊地成孔+大谷能生 マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究』!!
あの大著がコンパクトな文庫2冊に!!とにかく楽しみ。まだ読む前だが、この本だけでなく菊地+大谷の著作はジャズ・ファン、マイルス・ファンに限らず全音楽ファンにおすすめしたい。知的好奇心が最高に満たされ、音楽とは何ぞやが明確に理解できる。

これでまたもう1タイトル分の時間をとらなければならなくなった。この際は早朝まだ陽が昇る前くらいの時間帯に設定することにするか・・・。とはいえ、困ったことが一つ。この本を読みだすと、間違いなくマイルスの音盤が次々に欲しくなるだろうこと。参った・・・(笑)。

ちなみに、様々なジャンルの音楽を並行して聴くことも僕の特技。それこそティーンエイジャーの頃はクラシック音楽一辺倒でポピュラー音楽など1ランク下だと勝手に決めつけていた。そういう偏った思考を正してくれたのがThe Beatlesであり、King CrimsonYes、そしてPink Floydらの音楽だった。それは大変な衝撃・・・。以来、基本的にどんな音楽でも貪るように聴くようになった。

Pink Floyd:The Dark Side Of The Moon(SACD)

King Crimson同様Pink Floydのリマスター盤やボックス・セットはことあるごとに記念盤としてリリースされるが、基本的に余程のことでない限りもう購入しない。しかし、2003年に”The Dark Side Of the Moon(邦題:狂気)”がSACDハイブリッド盤で発売されたときは迷わず買った。フロイドのこの傑作を良い音で、できれば5.1マルチ・チャンネルで体感してみたい!そんな思いだけで手に入れ、最初に聴いたときの感動と言えば・・・(涙)
聴き慣れたあの音楽が時間と空間を飛び越えて脳みそに、そして肺腑を抉るように身体中を駆け巡る。
発表から40年近く経た今も色褪せないロック音楽の金字塔!!

And all that is now
And all that is gone
And all that’s to come
And everything under the sun is in tune
But the sun is eclipsed by the moon.

現在(いま)あるすべて
過去のものすべて
来るべき未来のすべて
お日様の下にあるすべては調和を保つ
しかし、太陽は月に侵蝕されてゆく


9 COMMENTS

雅之

>『菊地成孔+大谷能生 マイルス・デューイ・デイヴィスⅢ世研究』!!

ついに入手されましたか!!
読みごたえありますよね(笑)。

ジャズについては、私ももっともっと勉強したいです。

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岡本 浩和

>雅之様
早速少しずつ読み出しておりますが、のっけからはまりまくりです。
すごいです、この本は!!
昨年お薦めいただきありがとうございました。
感謝しております。。

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アレグロ・コン・ブリオ~第5章 » Blog Archive » 神秘

[…] リック・ライト作”See-Saw”の牧歌的な調べが意外に好き。 ラストのシド・バレット作”Jugband Blues”は名曲だけれど、僕の感覚でもアルバム中異質。これを聴くとシド・バレットが抜けたお蔭で以降のフロイドの方向性が決定づけられ、「原子心母」も「おせっかい」も、そして「狂気」も世に出ることになったということが理解できる。何とも何がどうなってどうなるのか、歴史というのはわからないもの。 とはいえ、こういう人生の分岐点で主人公が別の道を選んでいたら(フロイドの場合はシドが病気にならず辞めずに残っていたら)どうなっていたのかというのはナンセンスな問い。どっちを選んでもフロイドはフロイドだったろうから。その証拠に、シドがグループを去った後初めてのヨーロッパ公演で、初期のフロイド・ファンたちは、完全にグループに背を向けたそう(シド・バレットというのは相当なカリスマ性のある人間だったよう)。 […]

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